いきなりトランスフォーマーの話から外れたように見えるが、私にとってはトランスフォーマー関連の話。
この本は筆者による紹介ポストで知って、「もしかしてトランスフォーマーへの言及があるんじゃないか」と思い、買ってみることにした。
私は地方在住で新発売のトランスフォーマーを店頭で買うのに不自由する環境におり、トランスフォーマーについて「マーベルレジェンドよりは買いやすいアメトイ」というイメージを持っている。
それで、アメトイブームの話ならちょっとでもトランスフォーマーの話が出てないかと期待しました。
以下、特に印象に残った点について。
①80年代のトランスフォーマーファンについての言及(高井近志氏)
Blueskyのタイムラインでも話題にされていたこのお話。この箇所で大変テンションが上がってしまった。80年代のトランスフォーマー研究同人誌、ちょっと読んでみたいよね…。今よりはるかに情報が手に入らないだろう当時、どんな情熱で作られたのか。
ところでこの同人誌、どうも2024年にネット上で取引があったようす…
②石川裕人氏
トランスフォーマーの翻訳コミックを読んでいる方はもちろん、和製TFアニメ好きの方もご存じの石川氏。目次で名前を見て驚きました。基本的にアメコミ日本導入のために尽力された事についてのお話なのでTFへの言及はわずかですが、それで十分。
私はジャイブが翻訳を出したDreamwave版G1をずっと愛読しているのでジャイブの名前が出ただけで満足です。(もの知らずなことに…Dreamwaveは最悪な出版社だったのでこれは恥ずべきことです)
③佐世保(岩永ヒカル氏)
これはTFと関係がない話。
岩永氏へのインタビューで、氏の出身地である佐世保の話が出てくる。佐世保には米軍基地があり、家族がそこで働いていた氏は基地を通してアメリカ文化との関わりができる。
私は学生時代に村上龍の小説やエッセイばかり読んでいた数年間があって、佐世保は彼の出身地である。村上龍と言えばアメリカというかアメリカ文化というか、そういう連想をする人もいるんじゃないだろうか。
佐世保は米軍基地がある以上良くも悪くも、アメリカ文化と出会う窓口になるんだなと一人で感慨にふけってしまった。
他にも、こんなすごい人がいるんだなとへこんだり(なぜ)、この感覚はわかるぞと共感したり、私自身は90年代のアメトイブーム自体を知らないのだけど楽しい本だった。
この本での聞き取りがなければ、恐らくいつか消えて分からなくなってしまう事ばかりで、そう考えるとこれは大変貴重なインタビュー集なのでは…。
TFに関する話はほんの数行、でも期待以上の内容でした。
筆者、しげるさんの〆の言葉もいい。後追いだからこそ終わらない熱狂、ありますよね。