2024年12月17日火曜日

Transformers#15時点でのサンダークラッカーについて(スカイバウンド版)

 もちろんネタバレなので注意。長くなるのでエントリーを別にしました。

#15でついにサンダークラッカーから地球人への襲撃について“This is wrong.“との台詞があった。
その後、地球人を逃がしてさえいる。
サンダークラッカーを好きな人にとってはついに待ち望んだ瞬間が来た場面だったと思う。
私はそうでした。

サンダークラッカーは、G1キャラクターほとんどの名前や設定を考えたボブ・バディアンスキーによってこんな性格にされている。

・自分が従っている大義を心底信じてはいないが、仲間の言葉に従い続けている。
・(弱点)疑念が表面化し行動が鈍る。が、メガトロンへの恐怖で疑念から目を反らす。
※詳しくは、ヒーローX刊「トランスフォーマー クラシックス Vol.3」参照

ディセプティコンにあって、サンダークラッカーは自陣営の行動や目的に疑問を抱えているという、大変魅力的なキャラクターである。
この点はメガトロンに革命家としての要素が加われば加わるほど輝いてくると思う。
メガトロンの革命が苛烈であればあるほど(基本暴力革命だし独裁者なので苛烈)、サンダークラッカーの悩みは深くなり、そこにドラマが生まれる。苦しみながら命令に従うか、ディセプティコンではいられなくなるか。どちらにしても美味しい。

スカイバウンド版トランスフォーマーで、ディセプティコンを抜けて茨の道を歩くサンダークラッカーを見られるのでは、という期待が膨らみますが他のディセプティコンはどうだったか。
サンダークラッカーと関わりがあったディセプティコンのメンバーの考えを表にしてみた。

地球人への攻撃についてネームド地球人とのかかわり
サウンドウェーブ作戦上仕方ないない
アストロトレイン弱肉強食だから仕方ないある
スタースクリーム特になしある(多数)

・サウンドウェーブは「仕方がない」と言いながら地球人を殺している。サンダークラッカーはこの答えを受け入れられていない。なお、サウンドウェーブはスカイワープの件(アークのコンピューター:テレトランワンに組み込まれている)について、真相を伝えていない。サンダークラッカーがサウンドウェーブの側にいる期間は短くなりそうだ。

・アストロトレインはスパイクとの会話で「ディセプティコンを抜ける可能性があるのでは?」という声がSNSで散見されて私もそう思ったけれど、現状ではもっと単純なキャラクターっぽい。ただメガトロンと確執があるようで、今後この点がどう活かされるかは楽しみ。だけれどそもそもサンダークラッカーとの絡みは…あまりなさそう。

・スタースクリームは地球人を殺すことに何の抵抗もない。ただ、地球人との会話シーンはディセプティコンで一番多い。#6の”What is dad?"や、猫やマーティンの存在から今後変化があるかもしれないけれど、すぐ人を殺すので…。また、サウンドウェーブと同じくスカイワープの件ではサンダークラッカーに真実を告げていない。サンダークラッカーが一緒に歩むのは難しそう。


現状ではサウンドウェーブと一緒にいるサンダークラッカーだが、上に書いた通りこれは長く続かないと思う。サウンドウェーブと対立しているスタースクリームとも、一緒にやはり一緒にいられない。
これはもう、一人去っていくしかないのでは?

とは思うものの、まだ登場していないメガトロンがストーリーに出てくれば…
サンダークラッカーは悩みながらもディセプティコンでありつづけて、ずっと葛藤することになるかもしれない。それもまた新鮮。

当たる当たらないはどうでもいいのですが、とにかく現時点での思い付きを並べてみた記事でした。
サンダークラッカー、今後も目が離せません。


*****(余談)

Netflixのドキュメンタリー「ボクらを作ったオモチャたち」のトランスフォーマーをテーマとした回で、ボブ・バディアンスキーは2007年から始まった実写映画シリーズについてこんな風に言っている(吹き替えですが)。

「1980年代には25年後に予算2億ドルの映画を作るために今種を蒔いておこうなんて考えてもいませんでしたからね」

サンダークラッカーの設定だって同じじゃないだろうか。まさか40年経ってもファンに愛される要素をもったキャラクターにするぞ、とは考えてなかったはず。脇役だしね。
でも、ボブ・バディアンスキーがサンダークラッカーの性格をこう作ったからこそ、今でも読者を惹きつけるキャラクターになったと思う。

特に、スカイバウンドの前にトランスフォーマーのライセンスコミックを展開していたIDWパブリッシングの、2005年〜2018年にかけてのストーリーはサンダークラッカーのこの性格が巧みに活かされていた。彼はディセプティコンを離れる。そして犬、映画監督。ここからサンダークラッカーが好きになった人も多いと思う。私はそうです(全部読めてはないけど)。


2024年12月11日水曜日

Transformers #14(スカイバウンド)

 #13で語られたかつてのスタースクリーム(ウルクター)から一転、現在のスタースクリームが描かれる。

※#15発売日を過ぎてしまったので、いつも以上に書きなぐりの雑感です。


登場人物

①過去…サイバートロン星
オートボットディセプティコン
名もなきボットメガトロン
スタースクリーム

②現在…地球
ディセプティコン地球人
スタースクリームM.A.R.Sの人たち
アストロトレイン・ホートン
オンスロート・ラズ
ブロウル・クレイトン
ボーテックス・マーティン
ブラストオフ 
スィンドル 

*****
M.A.R.Sの回収部隊に火口から引き揚げられたスタースクリームのお話。

カバーイラストBの発表時に話題になった「スタスク・タンク」の登場回。
スタースクリームの様子が大分変化している。
今回からかなり表情豊かに、そして狡猾で言葉巧みな様子が描かれている。
地球人、アストロトレイン、コンバッティコンを簡単に手玉にとってしまう。
#7で退場するまで、ひたすらに傍若無人なキャラクターとして暴れまわっていたので新鮮。
よくイメージされるスタースクリーム像に近い感じになったと思う。
この変化を自然にするために#13で過去編を描いてワンクッションおいたんだろうか。

さて、#13ではオートボットの攻撃で友人ジェンボを失った(オメガスプリームの目を引くために倉庫を爆破した事に目をつぶれば)善良なウルクターが、ガンモードのメガトロンを手にとってスタースクリームへと変貌するシーンがあったけれど、今回の回想シーンではその続きが描かれた。
そこでわかったのは、
・ガンモードのメガトロンは他者に引き金を引かれる必要がある
・ガンモードのメガトロンは自分を持つものをコントロールできる
こと。
G1(マーベル版)#13を思い出しますね?
マーベル版では頭脳回路の故障から自分の意思をなくしたメガトロンが
・他者に従うしかない(ガンモードのメガトロンを拾った人間、ジョーイに使われる)
・引き金は引かなくても撃てる(ジョーイが指示を出すと発砲)
という状態。
なお、マーベル版のジョーイは最終的にメガトロンを手放し自ら警察に捕まるのに対して、スカイバウンド版のスタースクリームは操られて捕虜を殺害しメガトロンの処刑人としての道を歩むことになる。
見事に好対照ですね。

さて、スタースクリームはビーチコマーに囚われていたアストロトレインを解放し、サウンドウェーブの指揮下にいた彼を瞬く間に自分の仲間とする。
さらにサウンドウェーブを疑っているオンスロート、ブロウルと合流し、他のコンバッティコンとも再会。
「スタースクリーム軍団」+1の誕生である。
アストロトレインも初代アニメで共演回が複数あり、ザ・ムービーではスタースクリームに王冠を被せる役だったり縁が深い。

当然と言えば当然かもしれないけれど、スカイバウンド版は過去作をよく参照しているなと思う。
今回は出ていないけれど、サンダークラッカーの性格はもろG1のテックスペック通りだし。

ということでサンダークラッカーは今作でもIDW2005版のように波乱万丈な人生になりそうだな…、
と思っていたらなんと今回、スタースクリームに猫がトッピングされてしまい驚きました。
IDW2005版のサンダークラッカーといえば犬のバスター(あと映画監督)が印象的。
スタスクとサンクラ、猫と犬。今後も過去作を連想させる要素が出ると思うけれど、参照の仕方が巧みだ…。

ちなみにM.A.R.Sの人たちは、スケッチ役のマーティンを残しスタースクリームに惨殺されます。
…あまりにも早い退場。
この勢いで#15でスタスクタンクもあっさり卒業、元の姿に戻るのではと思っていたら、もう#15の発売日を過ぎているという…
まだ読んでいないけど、どうなっているやら。

*****

駆け足ですが#15の雑感でした。
スタスクタンクだけで2話やれそうなネタなのに、アストロトレインもコンバッティコンも合流してしまって、話の勢いが相変わらずすごいです。
チーム・スタースクリームは楽しそうにしています。

これからサウンドウェーブは大丈夫でしょうか。
嫌々とはいえ後ろ盾として頼ったショックウェーブはオプティマスに倒されています。
さらに、自分に近いサンダークラッカーに対して、彼は自分がスカイワープにした事を伏せています。
スタースクリームの反撃が始まりそうですが、真実を知ればサンダークラッカーはサウンドウェーブとは居られないでしょう。
それはサウンドウェーブだけでなく、サンダークラッカーにとっても苦しい道の始まりになるはず。

これからが楽しみですね!(非道)

*****
今回、過去のメガトロンの台詞に「我々は、星々の中で光り輝く偉大なサイバートロンを取り戻すのだ」的なものがあったけれど、今作のメガトロンは革命家の面があるんだろうか?
出番がほとんどないとはいえ、私は今の所ただの破壊者なのではと思っています。
カバーアートからメガトロンの登場がそう遠くないのでは、とも思っているのでこの辺りも楽しみです。

***
(この勢いでお話が進むと、DUKE#1が6か月後を舞台にしてるのがかなり苦しくないかな…)

2024年11月26日火曜日

『アメトイブームはどこへ行ったのか』雑感

いきなりトランスフォーマーの話から外れたように見えるが、私にとってはトランスフォーマー関連の話。


この本は筆者による紹介ポストで知って、「もしかしてトランスフォーマーへの言及があるんじゃないか」と思い、買ってみることにした。


私は地方在住で新発売のトランスフォーマーを店頭で買うのに不自由する環境におり、トランスフォーマーについて「マーベルレジェンドよりは買いやすいアメトイ」というイメージを持っている。

それで、アメトイブームの話ならちょっとでもトランスフォーマーの話が出てないかと期待しました。


以下、特に印象に残った点について。


①80年代のトランスフォーマーファンについての言及(高井近志氏)

Blueskyのタイムラインでも話題にされていたこのお話。この箇所で大変テンションが上がってしまった。80年代のトランスフォーマー研究同人誌、ちょっと読んでみたいよね…。今よりはるかに情報が手に入らないだろう当時、どんな情熱で作られたのか。

ところでこの同人誌、どうも2024年にネット上で取引があったようす…


②石川裕人氏

トランスフォーマーの翻訳コミックを読んでいる方はもちろん、和製TFアニメ好きの方もご存じの石川氏。目次で名前を見て驚きました。基本的にアメコミ日本導入のために尽力された事についてのお話なのでTFへの言及はわずかですが、それで十分。

私はジャイブが翻訳を出したDreamwave版G1をずっと愛読しているのでジャイブの名前が出ただけで満足です。(もの知らずなことに…Dreamwaveは最悪な出版社だったのでこれは恥ずべきことです)


③佐世保(岩永ヒカル氏)

これはTFと関係がない話。

岩永氏へのインタビューで、氏の出身地である佐世保の話が出てくる。佐世保には米軍基地があり、家族がそこで働いていた氏は基地を通してアメリカ文化との関わりができる。

私は学生時代に村上龍の小説やエッセイばかり読んでいた数年間があって、佐世保は彼の出身地である。村上龍と言えばアメリカというかアメリカ文化というか、そういう連想をする人もいるんじゃないだろうか。

佐世保は米軍基地がある以上良くも悪くも、アメリカ文化と出会う窓口になるんだなと一人で感慨にふけってしまった。



他にも、こんなすごい人がいるんだなとへこんだり(なぜ)、この感覚はわかるぞと共感したり、私自身は90年代のアメトイブーム自体を知らないのだけど楽しい本だった。

この本での聞き取りがなければ、恐らくいつか消えて分からなくなってしまう事ばかりで、そう考えるとこれは大変貴重なインタビュー集なのでは…。


TFに関する話はほんの数行、でも期待以上の内容でした。

筆者、しげるさんの〆の言葉もいい。後追いだからこそ終わらない熱狂、ありますよね。


アメトイブームはどこへ行ったのか 90年代フィギュアブーム、熱狂の舞台裏

2024年10月31日木曜日

Transformers #13(スカイバウンド)

第3ストーリーアークの始まり。
これまでの話の流れから外れて#13~14ではスタースクリームの過去が描かれる。

登場人物
①過去
●オートボット
オプティマス・プライム
バンブルビー
??(シルエットのみ)
●ディセプティコン
Genvo …かつてのスタースクリームの友人
オーバーチャージ
ショックウェーブ
メガトロン
●その他
Ulcter …かつてのスタースクリーム
ジェットファイアー
カップ
オメガ・スプリーム
②現在
●ディセプティコン
サウンドウェーブ
レーザービーク(シルエットのみ)
●地球人
・M.A.R.S.の人たち(G.I.ジョー関係の組織だが名前のあるキャラクター達ではない様子?)

※まずスタースクリームの旧名が読めない。
 取りあえずウルクターとします。友人はジェンボで。

******

お話は#7、サウンドウェーブとスタースクリームの戦いの決着シーンから始まり。
スタースクリームは破れ、体内の何かのパーツを奪われ火口に打ち捨てられる。
瀕死の彼のブレインモジュールに走馬灯がよぎる…

過去。
オートボットとディセプティコンの戦争がまだ拡大してない頃のサイバートロン星。

ウルクターとジェンボは、サイバートロン星のエネルギー危機を救うため宇宙へ飛び立つ友人のジェットファイアーと別れの夜を過ごす。
ウルクターの目は青く、顔つきもあどけなく、まだ若そう。ウルクターとジェットファイアーにはインシグニアもない。一方のジェンボはすでにディセプティコンに加入しており、二人にも加わるように説きますが、二人にその意思はなく。
戦争や革命で運命が引き裂かれる友人たちの図そのものだなあ。

ジェンボが地面のターボセクト(虫?)を叩きつぶそうとして、それを止めるウルクター。
ウルクターの善良さが強調されるシーンですが、直後三人の頭上をオメガスプリームがゆっくりと飛んでいく。
ウルクターは突如近くにあった軍の施設に飛び込み、爆破事故を引き起こす。
なぜかというと「オメガに自分たちを、自分を見て欲しいから」。
…将来の片鱗をのぞかせる危ない人でした。
この辺りは詳しく分析されている方もいましたが、青い目や表情で純真さを描きつつ、スタースクリームとしての自己中心的な部分はすでにあったのだと見せるエピソードなのかなと思います。
ちなみにこれもどなたか指摘されていましたがオメガの三人称はTHEM。これ大事ですね。

さて、ジェットファイアーは宇宙へ旅立っていき(この辺りでウルクターの目が赤くなってる一コマは間違い?)、場面は暗転。

ウルクターの仕事場の外で戦闘が起こっているシーンへ。
何かオーバーチャージぽい人が戦ってるんですが、スカイバウンド版において現行玩具でラインナップされたマイナーキャラは初登場では…。
そもそもマイナーキャラ自体が出てきていないのでちょっと驚きでした。
戦闘の中ウルクターはジェンボに助けられますが、何とそのジェンボが銃弾に倒れウルクターの腕の中で息を引き取ることに…。

ところでこのユニバースのトランスフォーマーに「死」はあるんでしょうか?
私はこれまでの展開で「不死」だと思っていますが、各キャラクター達が仲間の「死」を悲しむシーンは何度も出てきます。
オプティマスもその喪失の痛みから過去に戦い狂った時があったようです。
その一方で十分なエネルギーとテクノロジーによってリペアされて再登場したキャラもいます。
この辺りは敢えてぼかされている気もしますが、#8を思い出すと…?

さて現在に戻って火口で意識を失った(ステイシスロック?)スタースクリームが、M.A.R.S.の部隊に回収されます。
隊長はなかなか味のある悪そうなおじさんですが、「G.I.ジョー」で名がある人ではないらしい。
今の自分のポジションに不満を抱え、スタースクリームを使って一発逆転を狙うというおいしいキャラなんですが。

そして舞台は過去に戻り、ジェンボを抱えて孤独にさまようウルクターはメガトロンに出会います。
まだ若いからかメガトロンは悪ガキみないな顔でかわいいです。
ウルクターに復讐と軍に加わることを説き、銃に変形してウルクターの手に飛び込みます。
…銃?
いやー、突っ込み所しかないオルトモードなんですが、もしかして戦車に変形しつつ銃ぽくなれるメガトロン玩具を出す布石なのかこれ、と思っちゃいました。

メガトロンを手にジェンボの死体に目をやったウルクターは、自らをスタースクリームと名乗ります。その目も赤く変わっています。
スタースクリームの誕生。これは怒りのためなのか、それともメガトロンには他者を洗脳する能力があるのか…。

*******

ちょっと#14を待たねば分からんことが多い号だった気がします。
個人的にはこれまでと比べてやや薄味?抑え気味に書いた話のようにも思います。

しかし喪失の悲しみからウルクターがスタースクリームへと豹変したのなら、
#6でカーリーに向けた「WHAT IS DAD?」は、やはり彼が地球人を理解するきっかけになるのでは?
カーリーの怒りと悲しみを理解することで…殺人犯は彼自身ではありますが。

今後のお話が楽しみです。